試合前の合宿期間が短い場合の日本代表は低調…というのは私の中ですっかり定説になっているので、勝敗はもとよりチームとしての戦い方にもあまり関心を持たずに観戦しました。
最悪だったUSA戦と比べると、Jリーグ在籍選手の動きは、さらによくなったような印象を受けました。ドリブルで突っかけてくる相手のボールに少し触り、その後、そのボールを奪いにいく「ヨーイドン」はなんとかできているというレベルに過ぎませんが…。
前半は、DFラインと福西との間での例によるまったりとしたパス交換を許してくれていたことからもわかるように、ボスニア=ヘルツェゴビナ代表も日本の出方を見ていたようで、まずは守備からということに専念していたようでした。
日本代表は「ボゼッション指向なのにリアクションサッカー」という不思議なプレースタイルなので、例によってこのような試合の入り方だとなんとか形になっているようには見えます。
といっても、ボスニア=ヘルツェゴビナ代表は欧州各国に散らばる選手がひさびさに一箇所に集い、出場を逃したW杯の開催地で出場国と対戦するということで、モチベーションはフィンランドやインドよりもはるかに高いです。
隙があれば前述の「まったりパス」を狙ってボールを奪い、2列目の選手が素早く飛び出してFWバルバレスとのコンビネーションを作ってPAボックスに殺到してきます。難しいことは何もしていないし、ただ目の前のスペースに向かって懸命に走っているだけなのに、日本の守備網を崩しにかかっていることがとてもわかりやすく目に映りました。
前半終了間際に中村のCKを高原が頭で決め、このまま前半が終了しますが、試合を支配していたのはこちらではなく相手であることは明白でした。
さて、後半…。
絶対、相手はフル回転でやってくるに決まっていますし、まだ『接着剤の乾かない』久保は、柳沢か大黒と替えてやって欲しいなとはかない望みを抱いた私の願いなどは、『リードしているときには一切動かない』を旨としているジーコ監督にあっさり却下されました。
案の定、後半開始直後からボスニア=ヘルツェゴビナ代表は、ちゃんとリスクを冒して前がかりになってきました。その分、こちらも前にボールは運べますが、調子に載って攻め上がりすぎると、再度相手の危険な攻撃を受けます。
そうすると、サイド、特に左は上がれなくなり、その弱点を突かれます。守備が苦手なのはわかっていますが、相手のクロスに横向きケツ出しの姿勢で対応するアレックスはなんとかならないものですかなぁ…。アレを見てジーコはなんとも思わないのがとても不思議です。
で、タスクをこなし続けたボスニア=ヘルツェゴビナ代表はちゃんと2点を日本から奪って行きます。素晴らしい…。試合はこうして能動的に支配するものだということがとてもよくわかります。
2点を挙げた時点で相手はまたペースを替え、後ろの選手はリスクを冒すことを控えるようになりました。前半よりは少し攻撃的ですが、人数はかけずに点を取りにいく意図がよくわかります。
そうした状況の中、PA前の左右両翼にわたってとても多くの運動量を以って守備に働いていたのは中田英寿ひとりでした。今日は特に黙々と走っていた姿が印象的で、試合終了間際の得点はよかったのですが、こうした守備での動きが素晴らしかったです。
もう一度書きますが…。
相手に抜かれた後とクロス対応でケツ出すのはすごくかっこ悪くて、士気にも関わるから止めれ、アレックス。
でも、ウチの加藤大志とのマッチアップではそれでおながいします。