28日にドイツで行われるボスニアヘルツェゴビナとの試合では欧州のクラブに在籍する選手を優先的に出場させざるを得ない、という事情があります。ですから、ジーコ監督の腹積もりとしては、この試合は『久保のためのゲーム』だったのでしょう。後半、寿人に替えてもいいような状況でも決してそうはせず、久保に90分間出場させる意思を変えなかったのですから…。
その割にはフィンランドとの試合よりも久保本人の調子や周囲との連携も悪く、画面にもあまり映らなかった時間が長かったです。
さて、インドの監督が試合前に選手たちに示したプランを仮想すると…。
『いいか、日本は絶対俺たちをナメてかかるし、ボールも支配されてしまうだろう。ただ、中央のスペースさえ与えず、トップの選手さえマークすれば、サイドの選手がシュートを打ってくることはない。前半から相手が早目のクロスを上げてくるようだと、『しめた』と思え。あせっている証拠だからな。できるだけその時間帯を長くすれば、カウンターで1点は取れる。特に相手の左サイドが穴だからその裏を突くイメージでひっくり返してやれ。』
と、いうどこのチームでも日本と対戦する際に気を付けることを改めて確認した上で、インドは本気で引き分けもしくは勝ちを狙っていました。ですから、フィンランドよりもいいサッカーをしていると思いましたし、能力が高い選手も散見できて環境整備がもう少し進めばまだ伸びシロはあるでしょう。
対する当方『久保のチーム』は相変わらず…でした。前半の小野はなんとかあのまったりとしたペースを上げようとかなり奮闘していましたが、それがチーム全体に波及することはありませんでした。時折、長谷部がつっかけていくシーンが見られただけでした。
結局、小野が相手のクリアミスを突いて初ゴールを挙げるまで、0-0の得点経過における見慣れた代表の姿がありました。
こうした中にあって、目を引いたのが相手にボールを奪取された直後のすばやいプレスでした。ちゃんと連動したプレスを掛けられていましたから、これはこの長期間にわたる合宿の結果だと思いました。
さすがに後半になるとインドの選手たちの反応が少しずつ遅れ出し、守備網もほころびます。ところどころにスペースが生まれ、そこを小笠原や長谷部が突くようになり、クサビのパスも生きてきます。アレックスも飛び込む動きを見せるようになりました。
で、長谷部だか巻だかのゴールで2点目が決まると、ますます日本側にスペースが生まれ、後ろの選手も飛び込めるだけの余裕が出てきます。試合自体はこの時点で終わりました。
日本が挙げたゴールのうち一番美しいのは寿人が決めた5点目でした。小笠原はフィンランド戦であんなゴールを決めるからツキを使い果たしたように見えました。
さて続くはドイツ遠征です。トップフォームにある欧州組とリーグ戦開幕前の国内組とのギャップがある以上、この試合同様、まったりノツノツとした内容になることでしょう。まあ観る側の愉しみは松井ぐらいです。