ピタゴラスイッチのおかげで少し影が薄れた感がありますが、先週終わりごろにバズサイト(digg.comやらdel.icio.us)の上位にランクされたのが、不思議な味わいのある写真が掲載された下記の記事でした。
10枚の「ゴッサム・シティ東京 」(PingMag)
ここで紹介されているHDRIもしくは単にHDRと呼ばれることのある画法としては、下記だと思います。
異なる露出を与えた同一構図の複数原画をデジタル合成することにより、広いダイナミックレンジの感光材料で撮影されたような画像を得る手法
では、なぜ露出を異ならせて撮影した複数の画像をわざわざ合成しなければならないのでしょうか? 大体、ダイナミックレンジってなに?
ちょっとその説明を考えてみました。
晴天のスキー場での集合記念撮影を考えてみます。
カメラ任せでそのままシャッターを切ると、どれが誰かの判別も難しくなるほど人物は黒くつぶれて写ることでしょう。ところがよくみると背景の雪肌は案外きれいに写っていたりします。
こんなケースでは普通、カメラが提示したよりも多めの露出で撮影します。これでなんとか顔の判別ができる程度にはなります。でも、背景は完全に白一色になることでしょう。
では、前者と後者の写真を上手く合成すれば、人物の顔はちゃんとわかる上に背景の雪景色もきれいに写った写真が得られるだろう…というのがHDRIの基本的な考え方です。
ここで注意したいのが、どちらか片方の写真をデジタル加工して、飛んでしまった雪肌やつぶれてしまった人物の顔を救い出せないかということです。実際、紙に焼いた写真では見えなくなっていてもデジタル加工によって再現できることもあります。ただ、実際のところ、飛んで(つぶれて)しまうことの方が多く、そうなってしまえばどんなに高価なレタッチソフトを使っても無いデータを作り出すことは出来ません。
これでおわかりように、ダイナミックレンジとは、画像の中で一番明るいところと同じく暗いところがつぶれずに済む光量の範囲を指します。雪山ではこれは広すぎてカメラが追いつけないわけですね。
一般にデジタルカメラに搭載された光電素子のダイナミックレンジは、銀塩感光材料(フィルム)のそれよりも狭いです。ただ、この狭さをカバーするためにいろいろなデータ処理を施して見た目に遜色ない程度にまで画像が加工されています。また、銀塩感光材料でもカラーフィルムの方が白黒フィルムよりもダイナミックレンジは狭いです。
尚、PigMagに掲載された写真の色調が不思議なのは、合成する前や後に色調を調整されているせいかもしれません。カメラによっても味付けが異なるのかもしれません。